1歳半の我が娘は実に乱暴で、ものを投げるわ謝らないわでとんでもなく手がかかる子でした。
性格はやはり生まれつきで遺伝するわけではないようです。
さておき、やはり乱暴な子供は困ったものですね。言ってもわからないし、他の子を傷つけるのではないかとハラハラするし、あれこれ投げたり叩いたりでストレスが溜まります。
周りからは「しつけがなってないのねぇ」という冷たい目で見られるし、義理の母親には「育て方が悪い」とか「お腹にいる時にホラー映画を見ていたせいだ」と責められたりと散々でした。
しかし、少し調べて小児科にも相談してみたところ、これは全く問題がないことがわかりました。そこで得た知識と経験を、同じ悩みを持つ方がいたら共有したいと思ってこの記事を書いています。
この記事はこんな方におすすめ
- 子供が乱暴で困っている方
- 言うことを聞かない子供のしつけをどうしたらいいか迷っている方
- 子供の性格が両親に似ていなくて、びっくりしている方
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そもそも、なぜ乱暴な子供は乱暴なのか
うちの娘は物を投げたり、ダメと言われたら八つ当たりのように怒った人や近くの人、物を叩く。
「叩いたらダメでしょ、痛い痛いだよ」と説明しても、ヘラヘラしているばかり。
しかし「痛い」という概念を理解していないわけではないようです。家族の怪我などを見て「いたいいたい」と言ったりはするし、自分が転んでもそこをさすって「いたいいたい」とも言います。つまり行なっている行動が「痛みを伴う行為」であるということは理解しているのです。
医師に相談したところ、純粋に感情をコントロールできていないという結論になりました。
1歳から3歳ぐらいまでは感情がゆっくりと発達する年齢で、怒りや悲しみといった感情を理解できるようになります。
ただ感情をコントロールできないだけ
思い通りにいかないものや、ちょっと気に入らないものがあれば、その負の感情をうまく抑え込むことができないのです。
考えれ見れば、大人と同じように感情をコントロールすることなんてできるわけがないのに、目の前の「乱暴である」という事実ばかりに目がいってしまい、その理由を深く考えようとしなかったのかもしれませんね。
小さいうちは訴えたいことがあっても言葉がうまく出てこないので伝わらず、その結果乱暴になってしまうこともあるそうです。
乱暴さは知的好奇心と良心のせめぎ合いによる行動
さらにいえば、この頃の幼児は知的好奇心が非常に強くなります。
彼らは全員科学者のように、実験を繰り返しているのです。これを食べたらどんな味がするのだろうか。ここを登ったら何が手に入るのだろうか。そういう実験と冒険を繰り返して、親をヒヤヒヤさせながら彼らは知識を蓄えていくのが子供というものです。
私たちのように本を読んだりネットで検索したりするのではなく、一次ソースにあたって、実践的に体当たり学習をしているのです。そういう意味では真に信用できる情報のみを根拠とするあたり、現代のネット社会が最も必要としている才能かもしれませんね。そんな冗談はさておき、彼らはつまり実体験を通して経験を積み重ねようとしています。
おもちゃのブロックを振り上げてママへと向けた時、「これを投げたらどうなるのだろう」「いたいいたいになるのだろうな」「でも、やってみよう」「やっぱり痛がっている」と論理がつながっているのです。
そして実験は一度では終わりません。
納得がいくまで、何度も何度もおもちゃを投げます。
おもちゃの次はスプーンを投げるかもしれないし、その次はお皿の上のブロッコリーかもしれません。
航空機デザイナーが新しい羽根の空気流動性を確かめるかのごとく、次々と我が家ではモノが宙を飛びます。しかしそれらは全て、我が娘による壮大な実験の一部なのですね。
知的好奇心を満たして世界を知る
彼女は物を掴み、感触を確かめ、投げ心地を確認することで身の回りの世界を確認していくのです。
ものを口にいれなくなったと思ったら、今度は投げ始めた。どっちが良いかはわからないが、まぁいずれも子供の成長であると大目に見ています。
怒られたことを分かっているから、感情的になる
我が娘は怒られたら、逆ギレして叩き返してくることが多かったです。所詮1歳児の腕力なのだから大して痛くはないが、心は痛みます。
「子供が逆ギレするみたいに、ちょっと注意すると叩き返して来るんです」と医師に相談したところ、返ってきた答えは単純だ。
「ああ、それは逆ギレですね」
逆ギレって大人がするものじゃないの?と思ったら大間違いでした。1歳児だって、叱られているのはわかります。ずっとママとパパと一緒にいたら、声のトーンや使う言葉でわかるものなのです。
逆ギレは防御反応
子供は叱られたとき第一反応として、身を守ろうとする。だから叩き返すのです。
これが言葉が話せるようになると、「ダメなのはママのほうでしょ」などと口答えをするようになります。まぁ、殴られるよりはましかなぁと思いつつも、「逆ギレはよしてくれよ」と思うのが親のさがですね。
乱暴な子供へのしつけはどうしたらいいの?
乱暴な子供へのしつけは、「言って聞かせる」しかないとお医者さんは口を揃えて言います。
もちろん、時間が経てば基本は解決される問題です。
だけれども、「言い聞かせる」とはどうしたらいいのでしょうか。
「叱る必要はありません」と先生は言います。「叱っても、子供には叱られていることは分かっても、怒られていることとの区別がつきません。だから、優しく「ダメでしょ、痛いからね」と目を見ていうしかないんです。最初は褒められているとか、そういう風に思うかもしれませんが、だんだんと理解してきます。だから今からなんども叩いたり物を投げたりするでしょうけれども、ぐっと怒るのを我慢して、「そうされるとママ悲しいな」と落ち着いて言い聞かせてあげてください」と。
でも、よその子を叩いてしまったりしたらどうするの?という質問に対しては
「ママ、パパが謝ればいいですよ。所詮子供のやることですから」と笑ってくれました。
その一言で、随分とホッとした気持ちになりました。もちろん叩くのはよくないし、やめてほしいことは当然なのですが、「所詮子供のやること」です。親が責任を持つのは当然として、しっかりと成長を見守ってあげる必要があります。言葉がわかるようになれば、きちんと説明して正しい道に導いてあげれば良いでしょう。
実際子供が誰かを叩いてしまったら非常に心が痛みますが、誠心誠意親が謝って、その様子を見て子供が少しでも成長してくれればと思います。
親が率先して見本となる
言って聞かせて、親が率先して謝って、世の中の正しいこと、間違っていることを正確に伝えていくのが親の責任なのですね。
まとめ 乱暴な子供は時間が解決するので、親が守ってあげる
乱暴な子供は、別に根が悪いわけではありません。少し活発で、少し冒険的で、少し実験が好きなだけなのです。
そんな彼らを責めることはせず、ただそっと助言をして、冷静に、よくないことはよくないよと説明してあげる必要があります。言葉がまだわからないならなおさら、
やがてわかるようになり、こういった「実験」はなりを潜めることになります。
それまでのちょっとした辛抱です。皆さんも安心して子供の「実験」を見守ってあげてください。
そうして我が家では、少しずつスプーンが宙を飛ぶ回数は減りました。次はどのような冒険がはじまるのか、心休まる暇はないが少し安心することができたと思います。