トイレトレーニング、子育てでは避けては通れない道です。
大人になれば誰だってトイレ行けてるからそんなに焦る必要はない、と言うのは確かに真理だと思います。無理にやるものではないですし、トイレトレーニングを通してお子様がトイレに行くのを嫌がるようになってしまえば元も子もありません。
ですがやはり親としては早くトイレを一人で行けるよう、自立してもらいたいもの。
そこで今回は「無理なく」を念頭に起きつつ、子供が自分から「トイレ行きたい」と言うようになる、トイレトレーニングをしていく上で役立つポイントを紹介していきたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- トイレトレーニングの効率的な方法を知りたい方
- 子供がトイレを好きになる方法を知りたい方
- 保育士のトイレトレーニングに対する考えを知りたい方
目次(タップすると開きます)
トイレトレーニングは何歳から始めるべき?
トイレトレーニングは2歳半頃から始められる方が多いです。
目安として、
- 一人歩きが上手に出来る
- おしっこの間隔が2時間以上空く (膀胱におしっこを貯めることが出来る)
- 意思疎通が出来る (おしっこがでた、うんちがでたと伝えられる)
- トイレに興味を示し、座る事を嫌がらない
といったことができるようになれば良いと言われています。ですが、正解の時期があるわけではないので、お子様の成長具合に合わせてトイレトレーニングを開始してあげるのが良いでしょう。
モンテッソーリ教育では「トイレットラーニング」と呼ばれ、それこそ生まれてから排泄訓練はできる、自律性を促すという考え方もあります。お子様に合わせて、トイレに行く環境を整えてあげるタイミングを見ていくのが良いでしょう。
トイレトレーニングの鉄則
トイレトレーニングに対する正解はないですが、一つだけ「絶対に正しい」と思うものがあります。
それは一言に、「失敗するのは当たり前」ということです。自分の子供だからついつい期待してしまって、お部屋やお外でもらしたりしてしまうと「どうして!」と怒ってしまいたくなる気持ちはよくわかります。
「だからトイレ行きなさいって言ったでしょ!」「なんで「トイレ行きたい」って言えないの!」と怒ってしまいがちです。
ですが、それは辞めましょう。「次頑張ろうね」「ここでしちゃだめだったよね」と優しく事実を確認する程度にします。というのも、トイレトレーニングをしている段階の子供はまだ「反省する」という心の機能がうまく出来上がっていません。怒られて悲しい、不快だったという気持ちしか残らないので、そこで叱ってもあまり意味はありません。
そして何よりも、3歳でも4歳でも、トイレ失敗する子は普通にいます。当たり前のことです。
「子供はトイレは失敗するもの」と割り切って、気長に、本当に気長に付き合っていきましょう。
そして「トイレトレーニングが早く終る子・終わらない子」の差は私が見る限りではほとんどありませんでした。終わるか終わらないかは完全に個人差です。
早く終わったから偉い、なかなか終わらないから子供に問題があるなんていうことはまずありません。ですから比べることは本当に無意味です。ある日突然できるようになるなんて話もザラにあります。
とにかく「よそはよそ、うちはうち」のメンタリティで行かないと、気疲れしてしまいます。
最後は誰だって絶対できる。だから気長に支えてあげて、怒らない。これだけ理解しておけばもうトイレトレーニングなんて終わったも同然ですよ!
トイレトレーニングの裏技① トイレに対する興味を作る
突然ですが、皆さんのお家のトイレって楽しい空間ですか?
子供は楽しいものが大好きです。逆に言えば、楽しくなければ見向きもしません。大事なのは子供の気を引いて、「トイレ行くの楽しい」と思わせることです。そのためにはまず、トイレを楽しい場所にしましょう。
我が家ではトイレの壁に模造紙を貼って、シールを貼ったり落書きができたりするようにしました。トイレを遊び場空間にしたのです。
トイレに座れたら好きなステッカーを貼れる、というモチベーションに!
写真を飾る、絵本を置く、おもちゃを置く、どんなことでもいいので、「楽しいな」と思ってくれればそれでいいのです。
トイレに関する絵本もよいきっかけになってくれます。例えばこの「おむつのなか、みせてみせて!」や「Potty」の絵本は子供に面白おかしくトイレの楽しさを伝えてくれますので、興味が増しますね。
めくるのが楽しい「おむつのなか、みせてみせて!」
英語の絵本ならこちらの「Potty」がかわいらしくてオススメです。
大げさに「さぁっ、トイレいっくよー!しゅっぱーつ!」と大声を出して歌って踊りながらトイレへと向かうのでもいいです。ついついつられてついてきてしまうのが楽しいもの好きな子供の習性です。
まずは「トイレに行く」というきっかけづくりさえすればいいです。
この「行きたいと思わせる」ことに主眼をおいた教材をベネッセの「こどもちゃれんじ」で毎年出しています。しまじろうたちに興味があるお子様なら、良いきっかけづくりになるかもしれませんね。
しまじろうが好きなお子様なら、「こどもちゃれんじ」の教材はオススメ。
トイレトレーニングの裏技② トイレを使いやすくする踏み台の力
次に気をつけるべきなのは、ずばり「トイレの使いやすさ」です。
トイレが使いづらいものだと感じてしまうと、子供はすぐに「行きたくない」という気持ちになってしまいます。
子供って自分にとって心地よいところ、楽しいところに行きがちですよね。ベッドの中やお部屋の隅っこ、秘密基地など・・・とにかく子供は自分にとって心地よく、楽しいところをすぐに見つけ出す能力を持っています。
そこでトイレを使いやすくする工夫が必要になります。そのためにオススメなのが、「踏み台」あるいは「階段付きのおまる」です。
階段があると登りやすく、また地面に足をつけて「力む」ことができるようになります。
そこで「踏み台」や「階段付きのおまる」(補助便座)があれば、子供にとってトイレはアクセスしやすくなります。
特に「階段付きのおまる」(補助便座)は折りたたんでしまえば邪魔になりづらく、使いづらいです。
この「踏み台」や「階段」はただ登りやすくするだけではなく、「踏ん張るため」に大事になります。普通の大人用のトイレに乗せるだけだと、足がプランプランしてしまいますよね。この「足ブラブラ状態」は子供にとってあまり良い環境とはいえません。しっかりと足をつけられないことは不安につながりますし、踏ん張るときに力を込めづらく、「トイレに乗ってもおしっこ・うんちが出ない」という問題に繋がります。
そこで「踏み台」や「階段」があると、トイレに登りやすくなるだけでなく、しっかりと足を地面につけて「踏ん張る」ことができるようになります。
トイレトレーニングの裏技③ しっかりと子供が使いやすい「おまる」を選ぶ
踏み台・階段でお話したように、大人用のトイレはやはり子供にとっては不便なものとなっています。
当たり前ですが、サイズが大きすぎるのです。このままでは誰かが支えてあげないと、お尻から落ちてしまいますね。そこで「おまる」を使用する必要があります。
色々な種類のおまるを試しました!
床に置くタイプのおまるをオススメしない理由
- トイレという空間に慣れづらい
- 掃除が面倒
- 大人用トイレに座るのに慣れづらい
基本的に床に置くタイプのおまるですと、トイレとは別の所に置くと思われますが、そうすると「トイレ」という空間に慣れづらくなってしまいます。さらに、大人のトイレを使えば流せばすみますが、床におくおまるですとその掃除が少々面倒というのがあります。最後に、やはりゆくゆくは大人用トイレに座るのですから、そこは早めに慣れておきたいですね。また、我が子は階段を登るのが大好きだったのでこのタイプがしっくり来たというのもあります。
もちろん、これはお子様によりますので、このあたりは、実物を見られてみて決められるのがベストかと思います。
おまるはやはりお子様の使いやすいものを選ばれるのがベストです。キャラクターものもありますし、ハンドルがあるものもあります。階段と一体型になっているものもあります。
ハンドルがあると安定感が増し、また「力み」やすくなります。
私が務めていた保育園では、複数のおまるを用意しているところがありました。やはり子供によって好みがあるので、使いやすいものを使わせることでトイレトレーニングが進みやすくなります。
トイレトレーニングの裏技④ 布おむつ・パンツでおもらしの不快感を感じさせる
紙おむつではなく、布おむつやパンツを使うのも大事です。
もちろん、何度も失敗して床がおしっこだらけになったり、パンツにうんちがついてしまったりすることも何度も何度もあるでしょう。
ですが、子供はすぐに不快感に気づき、取り替えてくれるようにアピールしてくれるようになります。何度も繰り返して取り替えることで、「トイレ行ったほうが楽だ」と子供も気づくようになります。
「紙おむつじゃないから、トイレ行きたくなったら教えてね」と語りかけてあげることを通して、子供の理解も深まります。懇切丁寧に説明していけば、子供はちゃんとわかってくれます。きちんとアプローチして、語りかけてあげればまたオムツはずれが近づくと思います。
我が子はプリンセスのパンツでテンションアップでした。
もちろん、寝るときやちょっとしたお出かけのときは紙おむつのほうが安心ですね。
トイレトレーニングの裏技⑤ タイマーを使って、とにかくこまめに行く!
こまめに、こまめにトイレに行くことは非常に大事です。
オムツはずれの一番確実なステップではないかと思うぐらい、大事に思っています。
これには「ちょっと行き過ぎじゃない?」「めんどくさっ」と思うぐらい、頻繁に行く必要があります。これは子供によって違うので、実際に座らせてみておしっこが出るか出ないかを見極めながら、適切な間隔で連れて行ってあげましょう。
我が子はとにかくよく水を飲んで、よくおしっこに行く子だったので20分から30分おきにトイレに連れてっていました。
その時便利なのがタイマーです。我が家ではAmazon Echoというスマートスピーカーを使ってタイマー機能をこまめにかけていました。「アレクサ、タイマー30分」と声をかけてあげれば、どこにいても手ぶらでタイマーをセットできるので便利でした。
ただ、これは本当に疲れる作業です。やると決めたらしっかりと、面倒臭がらずにひたすらトイレに連れてってあげるのが大事です。
これを通して「トイレで失敗しない」というちょっとした成功体験を子供に感じさ、同時に「トイレに慣れる」ことを身につけることができます。大変ですが、一番効果的なステップだと思います。ぜひ、根気を詰めてトイレに連れていきまくりましょう!
保育園やお教室などで、親がトイレトレーニングを見られない場合はどうするの?
保育園やお教室に預けてしまったら、家でせっかくトイレトレーニングをしていたのに進まない、困る、という意見もあるかもしれません。
ですが、あまり気にしなくてもよろしいかと思います。
お家を離れている時間の間に、子供はトイレの行き方を忘れたりはしません。ですから、お家に戻ってきたらまたトイレトレーニングを継続すれば大丈夫です。
なので気にせず、お家ではしっかりトイレトレーニングを進めていれば大丈夫かと思います。
トイレトレーニングは人それぞれ、だから比べても焦っても意味はない
お父様・お母様にご理解いただきたいのが、トイレトレーニングの進み方は本当に子供によって違う、ということです。
兄弟でオムツはずれの早い・遅いがあるのは当たり前で、一緒くたに考えることはできません。比べても、焦っても、意味がないのです。
やれるときにサポートしてあげて、とにかく「怒らない」「焦らない」「比べない」「おおらかに」を大事にしてください。トイレはいずれできるようになりますから、安心してください。失敗するのは当たり前なのです。
膀胱の発達具合も子供それぞれ。ちゃんと貯められる子と、貯められない子、それは別に「我慢ができる偉い子・できない悪い子」というわけではありません。まだ発達していなければ素直にその子にはわからない、ということもありえます。
気にせず、気楽に進めていくのが一番大事ですよ。
結論 トイレトレーニングはしっかりぶれない姿勢で向き合えば問題ない
トイレトレーニングで重要なのは、上の①〜⑤であげた裏技を100%守って行く、ということではありません。
より大事なのは、ご両親がぶれない姿勢でトイレトレーニングに向き合うことです。どういうことかと言うと、「やると決めたらしっかりやる」「途中であまりやり方を変えない」ことです。これを守れないと、お子様が混乱してしまいます。
ルーティンを作って、日々やることが決まっていると、子供はしっかりとそこに慣れていくようになります。一度習慣としてトイレへ行って座ることが体に身につけば、もうトイレトレーニングは9割以上終わったと言っても過言ではありません。
「慣れやすい環境を作る」というためにも、とにかくブレずにしっかりと決まったパターンを親が積極的に作っていくことが大事になります。そのために上であげた「裏技」が役に立つかと思います。
最後に、トイレトレーニングが早く終わるか終わらないかは決してお子様の能力の問題ではありません。子供の体の発達を含め色々な要因があるため、人によって変わるものです。大事なのは、子供に寄り添っていく心の広さです。成功したら褒めてあげて、失敗しても怒らない。その繰り返しで、子供は確実にオムツはずれが近づいてきます。