私立・国立と娘の小学校受験が終わり、振り返ってみて何が一番効果的だったかな? と考えた時にやはり「家庭学習」が一番だと感じます。
娘はいわゆる「お受験塾」に通わせたのですが、良かったと思うところは「集団でしかできない考査などの対策ができた」「ペーパーだけではなく工作、運動など幅広く対応できた」という点がありますが、しかしながら、
別に塾じゃなくても良かったかな・・・。
と思うところが多くあります。学校ごとの傾向と対策方法を知れたという点があるかも知れませんが、過去問やネットを見ればわかる話です。
家庭学習、いわゆる「ママ塾」で合格まで行けたわけですが、何も私たち両親がお受験について詳しかったわけではありません。むしろその逆で、「このまま塾に行っていたら燃え尽きてしまう」と感じ、塾を全て辞めて家庭学習に切り替えたという経緯があります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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【小学校受験】塾は必要ない! 塾に通わず志望校に合格した体験記
小学校受験を始めた時、右も左もわかりませんでした。となると、やはり一番わかりやすいのが「塾に通う」こと。 いわゆるペーパー系の塾だけではなく、某有名スポーツクラブチェーンの「お受験体操」クラスにも通っ ...
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さて家庭学習にシフトするわけですが、塾はやはり「教材を準備してくれるところ」が便利だったなと感じました。一方で、これら教材が個人でも手に入らないわけではありません。少し大きな書店に行けば、お受験コーナーがあってさまざまな対策本などがおいてあります。
そこで私たちが色々と見て選んだのが「理英会」の「ばっちりくんドリル」シリーズです。
なぜ、他の参考書・問題集と比べてこちらが優れていると感じたのか、説明していきたいと思います。
テーマが一つずつ決まっていてわかりやすい
巷にはさまざまな問題集が出ていますが、「一つのテーマに絞った」ものを選ぶと良いと思います。
例えば「図形の分割」ならそれだけで一冊の本になっているようなものです。
逆にいうと「過去問」は実はあまり活用しませんでした。本来受験とは過去問をベースに勉強をしていくという形になると思うのですが、正直なところ「ペーパー難関校」と呼ばれているところは大体問題のレベルは似通っています。
そもそも、5歳・6歳の子供が解く問題にそこまで難易度のブレがあるわけがありません。
例えば一般的に非常に問題が難しいと言われている成蹊小学校やお茶の水の問題を見ても、「ずば抜けて地頭がないと解けない」問題はありません。丁寧に解き方の通りにやればできる、集中力を必要とする問題ばかりです。
一方で、「集中力」はなかなか簡単に培えるものではありません。これは子供の才能に依存するところが多々あると思います。ただ、できるとしたら「ひたすらペーパーを解く」これだけでしょう。そのためにも「問題の傾向になれる」ために、テーマを一つに絞って行った方がいいと思います。
難易度の調整がしやすい
「ばっちりくんドリル」シリーズは「基礎編」と「応用編」が各テーマごと一冊ずつあります。
正直なところ、受験する年の夏ぐらいまではひたすら「基礎編」をやりこんで、「この問題もう飽きた、何回もやった」となるぐらい体に染み込ませて、あとは入試直前まで「応用編」をやれば問題ないのでは? と感じる難易度調整になっています。
実際、いくつか過去問と照らしたところ、大半のところは「基礎編」と「応用編」の中間ぐらいの難易度だと感じました。「基礎編」がスラスラ、「応用編」が基本的には解ける、というレベル感であれば一般的な全国模試で偏差値62〜65は行くと思います。あとは志望校の難易度に合わせて調整していくイメージでしょうか。
志望校の問題傾向に合わせられる
「ばっちりくんドリル」の良いと思ったところは、「学校別おすすめばっちりくんドリル対応表」が出ているところです。
これはその名の通り、「ある学校を受ける場合、どのドリルを買えばいいか」がわかるようになっています。ホームページを見ていただくとわかりますが、さすがに津々浦々全ての小学校を網羅しているわけではありませんが、有名どころは押さえていると思いますのでこれに対応するものを買えば問題ないと思います。
他の出版社さんのドリルと比べた時
他に有名どころとして「こぐま会」や「伸芽会」の出しているものがあると思いますが、これらは以下の点で「今ひとつ」と感じました。
難易度が高すぎるものが多い
どういう調整をしているのかよくわからないのですが、難易度の緩急が激しい問題集が多いなと感じました。前のページはすごく簡単なのに、急に難しくなる、など。
特に「ひとりでとっくん」という名前がついていたりしても、「これ一人じゃ絶対解けないでしょ・・・」というようなものもあります。
ばっちりくんドリルの効率的な勉強の仕方
我が家では、以下のように勉強をしました。
まず、カッターナイフでドリルを裁断してスキャンしました。問題は何度も何度も解くものです。いちいち買い直したりコピーをとったりしていたら時間がいくらあっても足りません。コンビニエンスストアなどでもスキャンができますので、パソコンに取り込んでしまった方が良いです。
その後、一冊丸ごと印刷をして、「この日はこれ!」と決めてやります。
最初は「一緒にやる」のをテーマにして、親がほとんど解答してしまう勢いでいいと思います。「これはこうなるから、答えはこうだよね」とサクサク解いていきます。いきなり子供にやらせてもできないことが多いでしょうし、フラストレーションが溜まります。「そんなに難しいものじゃないんだ」と子供に思わせるのが大事です。
子供は見て覚える、真似て覚える能力が高いです。まして、繰り返しになりますが5歳や6歳が解くような問題です。そこまで難しいわけではありません。解き方さえわかってしまえば、あとはどんどん同じやり方のコピーペーストでいけるわけです。
私たちは1ヶ月間、ほぼ「親がやっているところを子供が見ているだけ」の状態で必要なテーマを3周ほどしました。
1日あたりのお勉強時間は30分から1時間程度です。
私立小学校のお受験掲示板などを見ると「毎日5時間ペーパーを・・・」とか書いている人がいますが、絶対におかしいと思います。おそらくやり方を間違えているか、子供のレベルにあっていない教育をしています。
子供の集中力なんてたかが知れています。大人でさえ、30秒のテレビコマーシャルにイライラするのですから、5歳の子供が3分もペーパーに向き合えるだけで奇跡のようなものです。
ですから、その3分を無駄にしないように、「大人がやっているところを見せて覚えさせる」のが最短ルートだと感じました。
実際、我が子の集中力は皆無に等しく、ペーパーを2枚もやれば「お菓子を食べる」「絵本を読みに行く」「レゴで遊びに行く」「トイレに行くと言って消える」の繰り返しでした。
でも、それが子供です。ずっと座ってられる方がおかしいのです。
ただ、座っている間は「正しいこと」だけを見せています。「こうやって解くんだよ」と余計な回り道をせず見せています。
そうすると、短い集中時間を効率的に使えるのです。
やり方を覚えたら、あとは解くだけ
大人が見せた正しい解き方を子供が「覚えて」しまえばあとは楽です。ひたすら解いていくだけなのです。
最初のうちは「なんでそうやっているのかわからないけど、覚えているからやる」形になっているかも知れません。もしかすると、「この問題の答えは右から3個目だよね」と覚えてしまっているかも知れません。でもそれでいいです。「できる」「解ける」「簡単」と思わせるのが大事です。
我が子も勉強が得意ではなかったですが、最後の方はドリルの表紙を見るだけで「なーんだ、これ簡単なやつだ」と言って30枚を5分程度で解いていました。もちろん、答えを覚えてしまっているのも多々あります。でもそれでいいのです。それだけスピーディに脳を使っている、それだけで十分です。
基礎編から応用編になったときも、やはりこれまた大人がやっているところを見せます。しかし「基礎」がわかっているので、「応用」になって大人がやり方を見せても子供はついていけます。だって基礎の発展にすぎないのですから。
何度も繰り返しますが、所詮は5歳・6歳が解く問題です。難しいわけがないのです。やり方を覚えているか、感覚を掴んでいるか、たったそれだけの問題です。
特に「右・左」「図形の分割(この図形を5等分にせよ、など)」「鏡(鏡に写っている絵を見て、元の絵は何かを当てる)」といった問題は覚えるしかないと思っています。コツというか、解き方というか、そういうものがあるのではなく、「やり込めばできる」それだけです。
そんな問題を落とす方が悪いです。だって頭の良さとは無関係なのですから。
とにかく回数をこなしていく。それだけです。
最後は一人でできるようになる
ばっちりくんも問題文は漢字も混じっているので、大人が読んであげることを想定しています。
が、最後は我が子は一人で30枚、大人が何も指示をしなくてもやっていました。それだけ数をこなして、問題が何を問うているかを覚えていたからです。
子供はすぐ記憶するので、その状態になったら楽です。
夏以降、私はずっと別のこと(本を読んだり、洗濯をしたり、片付けをしたり・・・)している間に子供に勉強をさせていました。子供にとってもはやペーパーは「難しいもの」ではなくなって、不満が出なかったのです。
この状態に持ってきたら、あとは勝手に数をこなしてくれます。「毎日5時間勉強して・・・」という必要なんてないわけです。30分もあれば、120枚ペーパーが終わります(30枚の束 x 4)。
毎日120枚のペーパーをやった、と聞いたら「ええ!?」ってなると思います。もちろん、難関校の長いお話の記憶とか文章題とかを考え際に「いや量より質だろう」と思うかも知れません。
が、たびたび繰り返しますが、5歳・6歳が解く問題です。たかが知れています。数をこなした方が絶対的に優位です。問題を解く「筋肉」ができ上がるのです。そして何よりペーパーに対する「恐怖心」「抵抗感」がなくなります。それが大事です。
受験の場で出る問題とは違う
当たり前の話ですが、ドリルに載っている問題がそのままお受験の際に出てくるわけではありません。
見たことがない問題が出た、と娘が言っていたこともありました。
ですが、それは基本的に誰だって同じです。フェアです。
小学校受験のレベルでしたら、「こっちの参考書に載っていたのに、こっちには載っていなかった」というケースはほとんどありません。一通り勉強をしていたら、みんな大体土台は同じレベルになっています。
ですから、ある子が「見たことがない問題だった」となった場合、他の子も基本的には同じ条件のはずです。
そうなると・・・あとは運、となりなす。
が、運だけではなく「何か応用ができないかを考える」「問題の説明をよく聞ける」「マルとかバツとか、マークなどの指示を間違えない」と言った要素は、やはり数をこなしたらできる話です。
そしてたくさんの枚数を解くという経験だけなら「ばっちりくん」をこなせば確実に身に付くのです。
ペーパーの数は裏切らない
簡単なペーパーをいくらやらせても・・・と思うかも知れません。
実際、小学校受験を始める前は私たちも「難関校は難関問題を解いて備えないと」と考えていました。
ですが、現実は違います。
難関校の問題はマラソンのようなものです。ひらめきだけで解けるものは少なく、愚直に進めることが求められるのがほとんどです。
何度も何度も走り込んでいた(問題を解いてきた)スタミナがあるからこそ解けるのです。
スタミナは才能ではありません。やればスタミナはついてきます。そして「問題に対する抵抗感」がなくなります。
娘は最初は「ペーパーなんて嫌い」「難しくて解けないからやりたくない」と言っていましたが、とことん解き方を親が見せて子供はそれを真似るだけ、というやり方をすればそんなことも言わなくなりました。
ただ数をこなす。無心になってグラウンドを10周するかのような、ただゴリゴリやるだけの話です。
そしてゴリゴリやるには「ばっちりくん」ドリルの難易度はちょうど良いのです。数多く過去問を見てきたからこそ、「これはちょうどいいな」と感じたのです。
小学校受験はマラソンです。親の受験とかいう人もいますが、「親が付き合えるか」です。塾に任せてどうにかなる話ではないと思います。塾で得られるものもありますが、結局「どれだけ向き合ったか」です。そして「どれだけ向き合ったか」は時間、つまり「何時間やったか」ではありません。「どれだけ慣れたか」です。
慣れるだけなら、時間をかけなければいけないわけではありません。
ひたすら解いていく。でも、解くのに10分かけるか、10秒かけるか。そこはあまり関係ないと思います。
解く、慣れる、さらに解く。この繰り返しで、スピードはどんどん上がっていきます。
実際、受験直前に娘は1日あたり30分程度しか勉強をしていませんでした。それで十分です。その30分の方が、際限なく5時間勉強するよりもはるかに効率的で、子供の心の衛生上も良いと思います。
受験は長い戦いですが、別に「長い時間をかける」必要はないのです。
ドリルをただ解く。ペーパー対策はそれで十分だと思います。
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