注意 この記事は、少し怖い内容が書かれています。出産に対して恐怖をあおることが私たちの意図ではなく、あくまでも「こういうことがありました」とお伝えするための記事です。不安になりやすい方、心配性な方はなるべく閲覧しないことをオススメします。
我が子(第一子)の出産は命がけでした。
高齢出産であったわけでも、持病があったわけでもなく、いたって健康なママでした。血糖値、体重、血圧等色々と気をつけて、食事にも気を使って、もちろんタバコやお酒はやりませんでした。適度にマタニティスイミングやマタニティヨガに行ったり、きちんと病院で定期妊婦健診を受けておりました。
今回は私が経験した切迫早産、逆子、そして羊水塞栓症についてお話したいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- 出産で起こりうるリスクの実際の経験を聞きたい方
- 羊水塞栓症の経過や、どのように回復したかを知りたい方
目次(タップすると開きます)
最初は健康的なマタニティライフ
私たちは妊娠について、比較的気を使いながら進めてきた方だと思います。「妊婦によい食べ物」を調べたり、「胎教によい音楽」のCDを買ってみたり、運動も口コミの評価が高いマタニティスイミングのクラスに行ったりしておりました。
検査もきちんとした医療機関で定期的に受けており、少しでも心配なことがあればすぐ医師に相談していました。
そんなこんなで妊娠7ヶ月頃までは順調そのものでした。
赤ちゃんの成長も大丈夫で、子宮頸管の長さや血糖値なども問題ありませんでした。強いて言うなら少し頻尿気味でしたが、妊娠中のよくある症状であると説明されていました。
問題は8ヶ月頃からです。
妊娠8ヶ月で逆子発覚
妊娠8ヶ月の検診で、逆子が発覚しました。
とはいえこの時期の逆子は別に珍しいものではなく、ほとんどの逆子は時間が経てば治るとのことでした。
逆子を治そうと、色々と試みました。
逆子を治そうと思って試みたこと
- 下から声をかける
- 逆子を治してくれるクリニックを検討する
- お灸を使う
- 逆子体操を行う
- 寝る向きに気をつける
- 足などを温め、身体を冷やさないようにする
色々と試しましたが、逆子は治りませんでした。
追い打ちの切迫早産
そんなこんなで9ヶ月目に入りました。
この頃からお腹の張りが強くなり、時にはくっきりと子宮の形が浮き上がるほどお腹がバキバキに張ることもありました。
これは良くないと受診したところ、子宮頸管が2.8cmととても短くなっていました。いわゆる切迫早産です。そのままウテメリンというお薬を処方され、自宅で安静になることに。
しかし一週間後、再び受信すると子宮頸管が今度は2.2cmになっていました。このままでは危ないので、その場で入院することに。病室まで歩くことも許されず、車椅子で診断室から病室へ直行しました。
寝たきりの生活になると、今まで運動していたのをピタリと止めることになるので体重が増加します。そうなると病院食の量も減らされることになり、ストレスが溜まっていきます。
逆子の回復、そして陣痛
妊娠も36週目、いよいよ大詰めに入りました。
ここまで逆子が治らず、帝王切開の手術の予定日も決定します。
ところがどういうわけか、夜中に逆子が治りました。
エコーで逆子が治っているのを確認できホッとしました。
いつもと違うと感じて、すぐに先生にエコーで診て頂き、逆子が治っているのを確認しました。
とはいえ、これで終わりではありません。
治療のおかげもあってか、子宮頸管が再び伸びて、逆子も治ったとのこともあり一度退院することができました。およそ2ヶ月の入院生活でした。あとは陣痛を待つのみです。
退院して10日後、破水しました。
陣痛促進剤、大量出血、緊急搬送、そして羊水塞栓症
破水したもののその日のうちには陣痛が来ず、翌日に持ち越すことに。
しかし破水したままだと感染症等のリスクがあるので、陣痛促進剤を打って陣痛を起こそうとします。この点滴を午前10時ごろからはじめ、午後1時には最大量を入れます。
一度確認した時は子宮口が3,4cmだったのでまだまだと思われていたのですが、それから直後に強烈な腹痛が。
「痛いのでもう産まれそうです」と看護師さんにいうと、「まだまだ大丈夫ですよ」と言われてしまいました。ですがもう一度確認をお願いしたところ、なんと子宮全開、すぐ出産体制に!
会陰切開などが必要にはなりましたが、30分の超スピード出産となりました。
これでめでたしめでたし・・・であればよかったのですが、ここから恐怖が始まります。
なんと子宮からの出血が止まらなかったのです。ガーゼをかなり押し込んで止血を図りますが、一向に止まりません。これはまずいとのことで、救急車を呼んで直ちに輸血が可能なより大きな専門病院へ直行することになりました。
産まれたばかりの赤ちゃんは預けて、そのまま別の病院の集中治療室へ。
合計でなんと経膣分娩では一般的には500mlで出血多量と言われるなか、なんと2500mlの出血のため輸血を行い、お腹を圧迫して冷やし、子宮収縮剤などを使ってなんとか出血を止めてもらいました。
救急の皆様をはじめとした医療機関の方々の治療のかいもあって後遺症などもなく回復することができました。
これが羊水塞栓症です。非常にまれな症状で(一説では2から8万人に一人との割合)、呼吸困難、低血圧、大量の出血といった症状があります。まれなケースのためあまり詳しいことは解明されておらず、なかなか原因を突き止めることは未だにできておりません。出産時の母親の死亡率としては一番高いものです。
とにかく圧迫などをして止血をして、輸血をして血が止まるのを待つという形でした。
一人コウノドリだったね、と今は笑い話
治療時はまだ病名がつかず、「大量失血」とされていましたが、後の診断で「羊水塞栓症」と病名がつきました。(細かい検査をしないと確証が出ないため「疑い」になっていますが、ほぼ確実に羊水塞栓症でしょうとドクターに言われました)。
ドラマの「コウノドリ2」の最終話で取り上げられていたのがこの「羊水塞栓症」です。まさかこんなドラマみたいなことが私達に起こるとは思っても見なかったですが、とにもかくもどなたにでもありえることです。
一般的な傾向として多胎(双子)であったり、高齢出産であったりした場合が確率は高いと言われていますが、特に一般的な「羊水塞栓症になりやすい人」にはあてはまってはおりませんでした。