2歳頃のお子様によく見られる「イヤイヤ期」。魔の2歳と言われるゆえんです。何を言っても泣き止まない、言うことを聞かない、大暴れ・・・多くのお子様が通る道です。
なぜ、イヤイヤ期は起きるのでしょうか? それをモンテッソーリ教育を通して理解を深めることで、お子様のイヤイヤ期を乗り越えるヒントを得られます。モンテッソーリ教育が提唱する「敏感期」を知れば、お子様の心理がわかりやすくなります。
この記事では、そんなモンテッソーリ教育におけるイヤイヤ期の捉え方と、どのように対処すればよいかを紹介していきたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- お子様のイヤイヤ期に困っている方
- モンテッソーリ教育におけるイヤイヤ期の対応について知りたい方
- 年齢別の子供の心理的成長について学びたい方
モンテッソーリ教育が期待する子供の「自己教育力」とは
モンテッソーリ教育についてこの場で深く説明はいたしませんが、簡単に言うと「子供の能力を信じてあげる」ことが大事だというのが中心になっています。
例えば親が説明してあげたり、先生がよくできた子を褒めてあげたり、そういうことはあまり積極的にはしません。完全な放任とは違って、子供が自分自身で気づいて成長することをなるべく手伝ってあげる、そういう黒子に徹するのがモンテッソーリ教育のキモです。
その前提からスタートするので、実は「イヤイヤ期」の対応とはお子様が今どのような成長の段階にいって、なぜその行動をとっているのか?を理解するところから始まります。
モンテッソーリ教育が提唱する「敏感期」とは
モンテッソーリ教育では、各年齢ごとに特徴を取りまとめています。
子供は一般的に、0〜6歳の間の特定の時期に能力を獲得するため、特定の事柄に対して強く興味を持ち、強い感受性が現れると言われています。
0歳から3歳頃
座る立つ歩く等の基本的な運動機能がそなわっていく時期です。運動の敏感期にとも言われています。
1歳半〜3歳頃
秩序(ちつじょ)の敏感期と呼ばれており、これがよく言われている魔のイヤイヤ期です。
それぞれの敏感期の説明は、下記で詳しく紹介していきたいと思います。
運動の敏感期って何?
運動の敏感期というのは、お子様が自分の体を自由に動かせるようになってくる時期のことです。
立ったり座ったり、手を動かしてものを持ったり投げたり、歩いたり走ったり・・・こうした私たち大人からすれば基本的な運動動作が、ある程度お子様の自由で行えるようになってきます。
自由に行えるようになると、「身体を動かしたい!」という欲求が産まれてきます。新しいおもちゃで遊びたくてしょうがないのと同じで、新しく得た運動能力を使いたくてしょうがないんですね。
それ故に、落ち着きがないとか、暴れまわるとか、そういう衝動が生じてきます。
秩序の敏感期って何?
秩序(ちつじょ)の敏感期というのは、「決まったこと」がわかってくる時期を言います。
例えば、「大きいコップはママのコップ」「ピンクの小さな靴は私の靴」「手を洗ってからご飯」といった「決まったルール」がわかってくることです。
何が誰のものなのか。決まった順番があるものは何か。いつも親しんでいる場所はどこか。そういったことにこだわりを感じるようになります。
なぜこういった秩序に敏感になるかといいますと、それが「安心感」につながるからだと言われています。決まったやり方で、決まったものがあるとお子様は安心します。自分のいる環境を理解することは、つまりはその環境を支配しているルールを理解することです。
環境のルールにこだわるというのは、自分の周りの環境に順応するということです。
インターホンのボタンを押したい、この赤い服を着たい・・・こういった一見「わがまま」に見える行動は実は彼ら彼女らなりのルールに基づいているからなのです。
敏感期を知ることで、イヤイヤ期が楽になる
上記から見て取れるように、だいたい2歳前後が「運動の敏感期」と「秩序の敏感期」が重なる時期です。これが「魔の2歳」と言われる理由かもしれませんね。
2歳は特に運動の敏感期と秩序の敏感期であると知れば、イヤイヤ期の子育てがぐっと楽になると感じます。
運動の敏感期と知っていれば納得です。
それからはなるべく余裕をもって準備をするようにしています。
ママを困らせるいたずらではなく、手を使って掴み、指先でつまみ、腕を使って引っ張り出すこと獲得している大事な時期と考えれば納得し、成長を見守ろうというポジティブな気持ちになれますね。
イヤイヤ期のわがままは叱らず気持ちをまず受け入れる
秩序の敏感期によるイヤイヤが生じているということを理解するのはとても大切です。成長の過程なので、決して叱ったりせず、語り聞かせてあげましょう。
親にしてみたらこだわりが強いな、どっちでもいいじゃないと思いますが、秩序の敏感期の子供にしてみたらそうはいきませんね。
こだわりを知れば、先に一言伝えておくと解決することが増えました。たとえば、「今日はパパのお友達が来てるからお友達が座るね」など。
子供からすれば、秩序を乱されるわけですから「実は乱れていない」「一時的なもの」「大丈夫」と安心させることが何よりも大事です。
その他にも児童館や公園に行けばずっと同じおもちゃや遊具を使い続けてなかなか貸してあげることが出来ないことがあり、困ったことがありました。そんな時は本人の「おもちゃを使いたい!」という気持ちをまず受け入れることが大事です。
その後に「どっちのおもちゃならかしてあげられる?」と選択させたり、「10数えたら貸してあげようか」と一緒に数えたり自分で選ばせたり区切りをつけることにより納得しておもちゃを貸すことが出来ることが増えました。
そういう時期だと知ればお友達に貸せないなんてなんていじわるな子だろうとは思わず、所有にこだわるのがその時期だと思えばおもちゃをゆずれないのは、自分の所有物がわかるようになったからであり、成長の過程だと思えると安心しますね。
それを経て共有を知ることが出来るので、安心して見守りながら、言葉がけをしていければと思いました。
まとめ イヤイヤ期は成長の証、ワガママではない
イヤイヤ期の発生原因を知らないと、「なんてワガママで意地悪な子なんだ!」とがっかりしてしまうかもしれません。
心や身体の成長の一環として、子どもたちは敏感期に入ります。その期間は彼らがそういう行動に出やすいということをよく理解した上で、必要に応じてお手伝いや声かけをしていきたいですね。
よく子供のことを理解してあげて、彼らがどのように現在の環境に適応しようとしているのか、それをよく考えてあげたいと思います。決して一人で悩まず、大人もお子様をとりまく環境の一員であると考えて家族で同じ方向に向かっていきたいですね。全員が同じ理解で同じ方向を向いていれば、お子様の安心感にもつながります。
理解はしていてもどうしてもうまくいかないことや、忙しいタイミングでのイヤイヤがあったりするとついついカッとなってしまうこともあるかもしれません。ですがなるべくお子様の成長を見守り楽しみながらこの時期を乗り越えてくださいね!